いつだって青空 ~ブルマー先生の夢~
冷たい雨が降る朝もある♪
星一つ見えない夜もある♪
でも黒い雨雲はいつか消える♪
この星をつつむ空は♪
果てしなく美しい♪
明治36年、3年間のアメリカ留学を終えた阿くりは、東京高等女子師範学校の教授となった。
「女子体育を教える女性の教師」を育成すべく、スウェーデン体操、ダンス、バスケット
ボール等、当時の日本ではまだ未知のスポーツを学生たちに教え、世間から注目をあびていた。
しかし、女性が運動することへの理解が無い時代。新聞で教育方針をたたかれたり、ブルマー先生
と陰口を言われたり、むずかしい立場に立たされる。その頃出会ったのが若き軍人、松橋倫太郎だ。
夢を追いかけて走る阿くりと、保守的な家庭に育って夢をあきらめた倫太郎。倫太郎が阿くりの
窮地を救い、2人は惹かれあうようになる。しかし、ロシアとの開戦がじりじりと近づいていた。
それは世界の平和を願う祭典であるオリンピックがアメリカで開催される年でもあった。日本の
オリンピック参加、そして女子選手の参加を夢見る阿くりにとって訓練が続く。いつも笑顔を
忘れない阿くりだが……舞台は、男性もまだオリンピックに出場していなかった明治の日本。
スポーツを通して「女性が自信をもって生きられる社会」の実現をめざし、体操着
ブルマーを日本に初めて紹介した秋田うまれのスーパーエリートスポーツウーマン、
後に“日本女子体育の母”と呼ばれる事になる井口 阿くり(いのくち あくり)の奮闘記。
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